
盆栽というと松の盆栽を思い浮かべる方が多いと思いますが、その他にも紅葉でお馴染みの「モミジ」や紅白の花を咲かせる「梅」、実をならせる「ひめりんご」等様々な種類があります。
まずは育ててみたい樹種を選びましょう。
松柏(しょうはく)類
黒松、赤松、真柏(しんぱく)、五葉松(ごようまつ) などがあります。
全体的に生命力の強い樹が多く、樹齢数百年の盆栽も存在します。
盆栽というとこの松柏のイメージが強いかもしれません。
黒松(くろまつ)

数百年生きている樹もある生命力溢れる樹種。
盆栽というと黒松のイメージが強いかもしれません。
ごつごつとした樹皮は年々重なっていき、樹齢の長さを物語ります。
大きな黒松は展示会のメインとなるほど人気の樹種です。
樹形を保つためには定期的手入れを行う必要がありますが、病気に強く、初心者にもおすすめの樹種です。
赤松(あかまつ)
黒松ほど樹皮がごつごつしてないので、触るとすぐに剥がれてしまうため注意が必要です。
葉も柔らかく、文人調のおしゃれな樹形が多いです。
樹皮はうっすらと赤らんでいます。
※文人・・ぶんじん。細い幹の樹形の事。枝は高い位置が多い。
五葉松(ごようまつ)

一つの芽から葉が五枚出ている松。
成長速度が遅く、手入れも簡単なので手入れに時間をかけられない方にもおすすめです。
また、水も沢山はいらないため、水やりの回数も少なく、盆栽の中でも管理しやすい樹種です。
真柏(しんぱく)

水吸い(生きている部分)と神・舎利(白骨化した部分)の見せ方が肝になる樹種です。
舎利をさらに白く見せるため、展示前に白くなる薬品を舎利に塗り、化粧をすることがあります。
気候の変動にも強く、日本全国で育てることができます。
雑木(ぞうき)類・葉物

落葉樹、広葉樹の盆栽です。
山もみじ、カエデ、チリメンカズラなどがあります。
紅葉(もみじ)
秋には美しい紅葉がみられる樹種です。
枝が細く、葉が落ちた後はまた違った姿が見られるため、一年を通して楽しめる人気樹種です。
また、根張りも特徴の一つです。
楓(かえで)
植物分類上は紅葉と同じです。
違いは枝の太さや葉の形にあり、もみじの葉が手のひらのような五本の形に対して楓は三本です。
比べてみると違いが分かります。
モミジは枝が細く、幹が太いのに対してカエデは枝も太く、葉が落ちると全く違う姿を見せてくれます。
花物類

時期になると花を咲かせる盆栽です。
梅、桜、長寿梅などがあります。
梅(うめ)
赤や白の花を咲かせる樹種。
幹にも特徴があり愛好家も多い人気樹種です。
ただ、枝が折れやすいので、取り扱いには注意が必要です。
長寿梅(ちょうじゅばい)
梅の仲間・・ではなくボケの仲間です。
四季咲きの為、うまく育成できれば一年の中で何度も花を咲かせます。
その為、展示会などで添えとしての人気も高いです。
実物類

時期になると実をならせる盆栽です。
ヒメリンゴ、カリン、ロウヤガキ等があります。
花梨(かりん)
大きな実をならせる樹種です。
実が大きいため枝への負担が大きく、簡単には実がならないが、成長が楽しみな樹種です。
葉が落ちた後の樹姿も美しく、人気が高い樹種です。
老鴉柿(ろうやがき)
楕円形状の実をつける樹種です。
たくさんの実がなった時の姿は圧巻です。
実は渋いので外で培養していても鳥に狙われることは少ないですが、強風などにあおられると実が落ちてしまうので注意が必要です。
草物


盆栽ではないですが、飾る際に添え物として使うなど関係が深いです。
シダなどがあります。
もっと大きく分けて松柏、雑木、草物という風に分けることもありますが、主にこの5種で分類することが多いです。
この中でこれから育ててみたいという方におすすめの樹種を紹介します。
初心者におすすめの盆栽
松柏類
【五葉松】

五葉の文字通り一つの芽から5本の葉が出ている松です。
丈夫で芽の伸びも遅いので手入れが頻繁には必要なく育てやすいです。
そのため樹姿が変わりにくく、あまり変化がないという面もあります。
画像は貴風サイズの半懸崖(はんけんがい)五葉松です
【真柏】

こちらも丈夫な樹です。葉をかなり透かしても(取っても)時期になるとすぐに生えてきます。
幹が水すい(生きている部分)と舎利(白骨化している部分)に分かれ、その見せ方が重要になってくる盆栽です。
花物
【長寿梅】

梅と入ってますが、ボケの仲間です。
枝を切ってもすぐに芽を吹くため、手入れもしやすくおすすめです。
四季咲きですので一年中花を楽しめ、変化が楽しめる樹です。
冬でも花を咲かす為、展示会の添えとしても人気です。
【皐月(サツキツツジ)】
皐月はとても頑丈な樹種で、日本では街路樹や庭木として植えられているのを多く見かけます。
葉を細かく保ち、幹をどう見せるかが重要な樹種です。
また、花を咲かせるのも特徴で、皐月専門の愛好家団体が存在するほど魅了された人が多い樹種でもあります。
さらに、刈り込んでもすぐに再生するので、とにかく剪定するのが大好きという方にとってはぴったりの樹種です。
ただし、鉢が巣をつくりやすいので注意が必要です。
まとめ
松柏は盆栽を枯らせてしまう一番の原因である水切れにも強く、手入れの比較的簡単な五葉松がおすすめです。
しかし五葉松は変化が少ないため、少し景色に変化が欲しいという方も多いので四季咲きで赤や白の花を咲かす長寿梅とのセットがおすすめです。
皐月は一時の皐月ブームのためか高額で販売されている場合がありますが、全体的にはお値打ち価格になっている事が多いので一万円以下でも立派な皐月が手に入ります。
個人的にはカエデが好きなのでおすすめしたいのですが、雑木は水が切れるとすぐに弱ったり枯れたりしてしまうので、まずはどの時間帯に水やりができるのか、1日に何回できるのか等、確認してからの方が良いかもしれません。
特に実物は水が切れてくると実が落ちてしまうので注意が必要です。