
苔(コケ)は培養環境によっては自然に生えてきますが、鮮やかな緑のものや黄緑色のものなどさまざまな種類があります。
それらを組み合わせることによって、さらに盆栽を鮮やかにすることができます。
また、見た目だけでなく、苔を張ることによって水持ちがよくなるので培養の上でも利点があります。
コケの種類

ヤマゴケ
緑色のコケ。
一般的によく見かけるコケです。
家の周りの日陰で見つけることができます。
やや厚いので、カットして盆栽でもよく使われています。
ギンゴケ
黄緑色のコケ。
土の上だけでなく、コンクリートの上でもよく見かけます。
薄いので苔玉やケト土をつけた石付き盆栽でよく使われます。
ハイゴケ
黄緑色のコケ。
湿度の高い場所で見かけ、フワフワとしています。
広範囲に群生しており、葉は長めですが、綺麗に剥がせるので使い勝手は抜群です。
ゼニゴケ
撥水性が高く、水が土まで到達しにくくなってしまうので盆栽には不向きなコケ。
生えてしまった場合、すぐに除去する必要があります。
培養だけを考えたコケ張り

とりあえず、今は見た目よりも培養優先という方はミズゴケかコケを細かくしたモノを使用します。
ミズゴケを使用
ホームセンターなどで乾燥しているモノが売られています。
使い方は簡単で、ミズゴケを少しづつちぎって、土の表面に敷き詰めていくだけです。
敷き詰め終わったら水を満遍なくかけて、薄くなった個所があればミズゴケを追加します。
その後、ピンセットのヘラなどで軽く押し付けてあげます。
これで、保水性が上がり、培養環境が向上します。
コケを細かくして使う

乾燥させたコケをフルイなどで粉のように細かくしたものを使うこともできます。
小さな盆栽などでよくみられる方法で、狭い部分にも敷くことができるので利便性が高く、保水性も高いです。
しかし、水やりの際に流れやすいので、角度と水圧には注意が必要になります。
準備編

必要な道具
・ヘラ付きピンセット
・コケを入れる容器
・霧吹き
コケ探しへ
コケは主に日陰に生えていますので日陰を中心に探します。
その他、大きな石などにも生えている事があるので、よく観察しましょう。
また、湿度が高い場所を好むコケもあるので、水場があればその近くも探してみましょう。
見つけたらピンセットのヘラで、なるべくきれいな部分をちぎれないようにシート状に採取します。
採取したら霧吹きで水をかけておきましょう。
コケを買うのもあり
その辺に生えているものをわざわざ買うなんて・・・。と思うかもしれませんが、状態・形・厚さ・必要面積・・・等々、見栄えを意識して厳選するとなるとなかなかお目当てのコケは見つかるものではありません。
そこで、綺麗な環境で培養されたコケを購入することでコケを探す時間の短縮を図るだけでなく、盆栽の仕上がり状態を上げることができます。
現に展示会に出品する盆栽には業者から購入した綺麗な苔が使われていることが多く、愛好家のみならず盆栽屋さんも苔は外注しているというお店も多いため、苔の購入はおすすめです。
いざコケ張り

コケを採取したら苔の配置を決めましょう。
コケをある程度の大きさにちぎってパズルのように当てはめていきます。
コケの張り方にルールがあるわけではありませんが、同じコケを広範囲に張るとのっぺりとした印象になってしまいますので、違う色のコケを組み合わせて立体感を出しましょう。
コケが貼り終わったら
コケの配置が決まったらピンセットのヘラで上から軽く押していきます。
こうすることによってコケが土に吸着しやすくなります。
その後、水をたっぷりあげますが、せっかく張ったコケが流れてしまわないように角度や水の勢いに注意して水やりをしましょう。
苔が活着するまでは乾燥すると剥がれやすいので、苔が乾燥しないように水やりは頻繁に行いましょう。
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